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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-87
「であれば、“異国”の能力者に付け込まれるのも、
当然のこと。」
(滝川の言葉に、誠司は、今は滝川を信じるべきだと感じた。)
(FOTと異国の能力者の関わりさえも、知っているということは、
滝川が、聖と。 深い親交があったと言える。)
(誠司は、夏樹の無事を、祈る想いで、両手を組んだ。)
***
(車は、遠く、川に架かる白い橋を。 見渡せる場所に停まっていた。)
「目標が、第二ポイントに入ります。」
(明るいスーツに身を包んだ男が。
車の外で、ドアにもたれ、サングラス越しに、橋に目をやった。)
「そろそろかかってくれなきゃ。」
「俺達の出る幕がねぇな。」
(サングラスの男の、白く短い髪が。 太陽の光に反射している。)
「翼様。」
(目標の地点を、翼に知らせた男が、端末を手に、翼に近づいた。)
(男は、大柄で、翼の倍ほど、肩幅がある。 たくましい筋肉が、
スーツの下にあった。)
「白竜。 来たぞ。」
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