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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-93
(湊吾も顔を上げ、前方を見た。)
「・・消えた。」
(湊吾の灰色の瞳が瞬く。)
『・・能力者か・・!』
(緑色の光が揺れ、湊吾は、異常な光景に、
ハンドルを握ったまま、停車してしまった運転手に。
正気を取り戻させる為、
運転手の腕を、強く掴み。 鼓舞した。)
「前へ進め。」
「風見市まで、止まるな。」
(運転手は、はっと、我に返り。
掴まれた腕に伝わる、湊吾の強さに。 頷き、アクセルを踏んだ。)
「・・っ、はい!」
「坊ちゃま・・!」
(だが、応えハンドルを握る、運転手の手は、震えていた。)
(能力者を、目にしたことは、これまでに無い。)
(数名の怪しげな者たちが、車を取り囲み。
前を走っていたはずの、数台の車は、神隠しに遭ったように、
こつ然と消えてしまったのだ。)
「(ヒッ!)」
(目の当たりにした光景に、現実だと信じざるを得ない。)
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