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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-94


(次は、自分が消える。)

(運転手が、そう思った瞬間。)

ドンッ!

ガッ・・!

「!」

「ぎゃぁぁ〜っ!」

(背後から迫っていた人間たちが、
スピードが緩み、コントロールを失った車に、
人間とは思えない、身のこなしで。 飛び乗って来た。)

(ボンネットに乗った、フードを被った男が、
フロントガラスから、運転手と湊吾を覗き込み。)

(異常な目で、ニヤニヤと笑った。)

『!』

(運転手は、叫び声を上げたが。
湊吾は、緑色に光る瞳で。 能力者を睨み。
目を離さぬまま、運転手に、声で指示した。)

「出せ・・。 そのまま進め。」

(運転手は、震えたが。 湊吾の覇気に、
再びハンドルを握り、アクセルを強く踏み込んだ。)

ギギギッ・・!

ブブンッ・・!



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