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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-108


(白の柔らかな白い髪が、優しく微笑む瞳に流れた。)

(白は、艶に振り向き。 大丈夫だと伝えるように、笑った。)

「真実を、明らかにすることは〜・・、簡単じゃない。」

「恐怖と向き合わなければ、ならないからね〜・・。」

(白は、手にした雑誌を開き。 見開きに、大きく写し出される写真に、
大きな見出しに、見入った。)

「・・FOT 国家機密組織。」

「暴かれる能力者の存在。」

「・・・信じられないだろう〜・・。 夏っちゃん。」

(白は、雑誌に写し出される、写真をなぞった。)

「・・守って。 行かないと〜・・ね。」

(雑誌、『境界』には、獣を追う夏樹と、その先に倒れる
少女の後ろ姿。 北通りで起こった事件の真相が書かれていた。)

(どのメディアも、『境界』ほど、鮮明に夏樹の姿を捉えられたものは無い。)

(獣を止めようとする夏樹は、風を纏っておらず、無防備だったが。
少女を守ろうと、向かっていることを感じさせた。)

(悲痛な夏樹の表情を写し出し、白は胸が痛んだ。)

「石垣〜・・首相の〜・・。 悪事についても〜・・。」

「書かれているねえ・・。」



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