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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-110


《事件から一夜明け、未だ犯人が捕まらず不安な中、
現場近くの小学校では、集団登校が行われています。》

《警察は、検問を行い、
現場付近での、情報を求めています。》

《犯人が市内に潜伏している可能性があることから、
付近の住民へ、注意を呼び掛けています。》

(ニュースは、風見市内を駆け巡り。
全国に流れた。)

***

(夏樹は、教室のドアの前で、立ち止まった。)

「ソラ、僕は。 話そうと思う。」

(夏樹は、付き添ってくれている背後のソラに語り掛けた。)

(夏樹は緊張し、息を整えた。)

(ソラの方へは振り返らず。 視線は、ドアを。
ドアの向こうに待つ、クラスメイトを思った。)

「・・そう言うだろうと思った。」

「だから、引き止めたかったんだよ。」

(ソラは、やるせない気持ちで、水色の瞳をゆがめ、
唇を噛んだ。)

「・・っ。」

(夏樹は、ソラの想いを背中で受け止めた。)



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