HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-112


「夏樹くん。」

(クラス前方の、教員机から、担任の静乃が振り向いた。)

ザワザワザワッ

(クラスは騒めき、驚きと共に、恐怖が伝染する。)

(クラスメイトの夏樹への印象は。 一日で変わっていた。)

ドクンッ ドクンッ

(夏樹に向けられる、幾つもの恐怖の目。
触れることを恐れ、椅子を引き、身を引く者が居る。)

(振り返る瞳は、見開かれ。 射る様な視線に嫌悪感が滲む。)

「夏樹・・っ。」

「雨宮君来たんだ・・。」

(夏樹への恐怖や、嫌悪、不信感を隠すことも出来ない。)

(クラスは冷え切り、敵意が夏樹に突き刺さる。)

『・・・っ。』

(夏樹は、息を飲み。 クラスメイトの想いを全身に受け止め。
瞬き。)

(両サイドに机が並ぶ、教室の中央の通路を。 前方の黒板に向かい、
歩き始めた。)

(ソラとミイ、紫苑は、教室の後方に立ち。 夏樹の背中を見守った。)

『時が戻る様だ。』



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ