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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-113
『初めて、風見市に来て、
風見ヶ丘高校に転入した時。』
『これは、僕が受けるべき、視線だった。』
(夏樹は、込み上げる想いを胸に、
冷ややかなクラスメイトの視線を受けた。)
(生命を宿さない夏樹の身体は、冷たく。 胸の“時の欠片”に秘めた、
“闇”の力が。 通常の人間でさえも、感じられる不思議な波動を持つ。)
(風の力を失っても、夏樹の身体は、“闇”の力を失わず。)
(力を秘めたまま。 普通の人間になることは、出来なかった。)
『皆の優しさに、甘えた。』
(夏樹を信じようと、顔を背け、下を向く者。)
(クラスメイトの涼の様に、敵意を露わに、睨む者。)
『聖や、FOTの皆が、僕を守ってくれていた。』
(転入初日に、クラスメイト達は、夏樹に笑顔を向けてくれたのだ。)
『クラスメイトの皆の優しさに甘えた。』
(冷やりとする夏樹の纏う覇気と。 手にする携帯から流れる夏樹に関するニュースに、
身を震わせる者も居た。)
「静乃先生。 皆、少し僕に時間を下さい。」
(夏樹は、黒板の前に来ると。 静乃に許可を取り、
教壇から、皆を見つめた。)
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