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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-115


(夏樹は、自分に絶望し、深い紺色の瞳には、涙が滲み。
声が震えた。)

「・・っ。」

「皆に、本当のことを言えなかった。」

『言えば、自分は皆と違うと、認めることに思えた。』

「僕は、能力者集団、国家機密組織。

Fragment of Timeに所属している。」

「そのことは、誰にも話してはいけない、決まりだった。」

(深い紺色の瞳は、困惑し、恐怖するクラスメイト達を見つめ。
絶望的な、自分の過ちに向き合っていた。)

「でも、それは。」

「言い訳に過ぎない。」

(涙が滲み、言葉が上手く出ない。)

「僕は、どこかで、皆と違うと思いたくなかったんだ。」

「自分が人間ではないなんて、」

「口に出せなかった。」

(夏樹は、出来るだけ、自分の気持ちに正直に向き合おうとしていた。)

「機密を守ることで、誰かを守りたいなんて、」

「言い訳だった。」



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