HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-116


(ソラの水色の瞳に、涙が浮かんだ。)

「夏樹・・っ!」

(ミイは、堪えながら。 ソラの上着をぎゅっと掴んだ。)

(紫苑は、静かに、夏樹の言葉に聴き入り。 目を逸らさずに居た。)

(クラスメイトは、驚きと戸惑い。 不信感を持ち、夏樹を見つめた。)

「口に出せば、僕は。」

「皆と同じ人間ではないと。 思い知ることになる。」

「ここで、風見市で。」

「皆と、普通に暮らしたかったんだ。」

「そんな願いを持って。」

「ここへ来て、本当にごめん。」

「この街には、この街の人達の中には、たくさんの。」

「“時の欠片”が眠っている。」

(夏樹は、涙を堪えながら。 “時の欠片”が何なのか、
FOTの存在意義。 風見市で起こっていることについて、
話し始めた。)

「“時の欠片”は元々は、怖いものじゃない。」

「僕の身体の中にもあって、僕を生かしてくれている。」

(夏樹は、白い手で、自身の胸元に触れた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ