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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-125


(静乃の熱い思いは、生徒に伝わった。)

(けれど、受け止めることを、迷っていた。)

「・・先生・・っ。」

(生徒たちは、戸惑い。 途方に暮れた。)

「でも・・っ!」

(夏樹が居ることで、青葉が死に。
美菜が傷ついた。)

(平穏が。 いや、実はとうに崩れ始めていた平穏が。
目の前で壊れて行くことに、正常でいることは難しく。)

(受け止め切れなかった。)

(それよりは、悪者を決め、
責め立てる方が、容易かった。)

「見せてみろよ、風の力ってのを・・。」

(涼は、静乃の言葉を聞かず、夏樹に向かい、責め立てた。)

「やめなよ、涼!」

「先生は、今大事な話をしたんだよ。」

(女生徒は泣いていた。)

(にわかに信じることは出来ず、戸惑いを隠せない。
けれど、静乃が、静乃にとって最も大事な人について、
話したのだと。)

(自分たちを信じて、話したのだと。 感じる生徒も多かった。)



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