HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-127
(静乃は、手元の通信機を確認し、
時が、迫っていることを知った。)
「・・菖蒲くん・・。」
***
ピッ
(菖蒲は、通信機から得た情報を見ると、
桜や千波に告げ、snow dropから急ぎ、リムジンに乗り込んだ。)
(白手袋の手に、力を込め、ハンドルを切る。)
(一つに縛る、長い後ろ髪が、靡き。 四角い黒縁眼鏡が光り、
視線が強く、行き先を定めた。)
「夏樹様。」
ゴワッ・・!
(唸りを上げるエンジン音と、舞い上がる煙がいつの間にか。
道路から白いリムジンの姿を隠し。)
(静乃が導いた空間通路に、飛び込んで行った。)
***
「官邸から中継が入ります。」
(誠司は、風見市庁舎の会議室で、
緊張に包まれ、携帯からFOTの屋敷に居る晃と、会話した。)
ジジッ・・
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』