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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-135


「政府においては、この国家的な危機に際し、国民の命と健康を守ることを目的とし、

風見市を閉鎖、能力者を世界から追放いたします。」

「第二国に限らず、世界の能力者へ、戦いを挑むものであります。」

「ここに、特別国家機密法第二十三条に基づき、正式に、国家非常事態を宣言する。」

(石垣の放った言葉は、強烈に恐怖を煽り、市民はたちまちパニックに陥った。)

****

「きゃぁぁぁぁ〜っ!!」

(風見市北通り、繁華街の大通り、ビルの上の巨大モニターで
中継を見ていた人々は、恐怖に逃げ惑った。)

(どうすれば良いのか分からない。 ただ、自分たちが、“闇”という病に汚染され。
風見市内に閉じ込められ、国から見捨てられる。
そう予感した。)

(そして、恐ろしい能力者たちと、国の特殊部隊との、
強力な戦争が始まろうとしていた。)

(昨日まで、こんなことが起こるとは、想像してもいなかった。
すでに戦いは始まっていたが、今初めて突然、
隠されていた事実を、目の前で明らかにされ。)

(国民は戸惑っていた。)

「は・・っ。」

(白は、逃げ惑う人々を左右に見ながら、
巨大モニターを、
穏やかな、しかし奥に、強い光を秘める瞳で。
見つめた。)



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