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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-136
(艶は、人々の巻き上げる風と塵に、漆黒の長い髪を舞い上げ。
黒い大きな瞳で、瞬いた。)
「・・・っ。」
「石垣め・・っ。 なぜ壊した・・!」
(恐怖に逃げ惑う人々の日常が、もう戻らないと、
艶は分かった。)
「どんな想いで、隠し通して来たか・・!」
「馬鹿者が・・っ、愚か者め・・。」
(艶は悔しさに、こぶしを握り。 ちりちりと燃える怒りに、
身を焦がした。)
「艶ちゃん〜・・。」
「いけない・・、これは〜・・。 困ったね〜・・。」
(走り、我先にと逃げる人々の間で。
白は、艶をかばう様に、片手で、小さな艶の身体を群集から守った。)
(艶もはっとし、白と同じ、視線の先。
ビルの上の巨大モニターを見つめた。)
「な・・っ!」
(艶は絶句し。 白は、揺らめく瞳の奥で、強い想いを抱いた。)
(中継から切り替わったモニターは、九人のFOTメンバーを次々と映し出し。
国家に仇をなす、重罪人として。 公表した。)
「・・こんな〜・・、日が〜・・、来るなんて〜・・ね。」
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