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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-140


「俺が躊躇して、結界を解除させた、

街の人たちに、俺たちの姿を見せた。」

「夏樹を・・、守らなきゃいけなかったのに。」

「夏樹は、俺を助けようと、来てくれた・・っ。」

「くそっ・・!」

「あいつにいつも助けられて、俺は・・!」

(葵はそっと、固く握られた光の拳に、
しなやかな手を添えて、寄り添った。)

「光・・。」

(晃は、光に向き合い、微笑んだ。)

「それで良い。」

「夏樹なら、そう言うだろう。」

「俺たちは、人間と戦っているわけじゃない。」

「躊躇ったお前は、正しい。」

(光は、顔を上げた。)

「特殊部隊員は、

人間離れしているが、化け物じゃない。」

「人間だ。」



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