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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-144


「出て行け・・!」

「もう、たくさんだ・・っ!」

(涼は、ペットボトルを蹴り飛ばし。 濡れた床で、足を滑らせながら。
駆に引き止められ、嫌悪感をむき出し。)

(汚いものを見る目で、夏樹に唾を吐いた。)

「涼!」

(駆は、涼を押さえ、胸ぐらを掴んだ。)

「離せ!」

「こいつが、病原菌なんだろうが・・!」

「俺たちは、汚染された。」

「クラスの奴らも。」

「友達も、家族も!」

「大事な奴らも・・!」

(涼は、水にまみれ、机と椅子が散乱し、
恐怖に怯えるクラスメイト達をわき目に。)

(傍らで、夏樹を見つめ、涙する、紫苑に振り向くと、
再び夏樹を、鋭い、血走った赤い目で、睨んだ。)

「お前のせいだろうが・・!」

「国家機密組織、そんなの知るか!」



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