HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-147
「嘘付いて、楽しかったか?」
(涼は、夏樹を軽蔑し、嘲笑った。)
「何も知らない俺たちを見て、能力を持つ自分は、特別だとでも
思ったのか!」
(涼は、夏樹から、自分自身が、紫苑を守れなかったことを、悔いた。)
「もっと早く追い出すべきだった。」
「今更、本当のことだなんて、話して。」
「何になる。」
「もう、手遅れだ。」
(涼は、冷めた目で、夏樹を見下した。)
「何を、信じろって言うんだよ?」
「俺たちを、今まで騙して来たのにか?」
「お前、自分が何をしたか、分かってんのかよ。」
(涼は、冷たく。 怒りを押し殺し、夏樹を見た。)
(でなければ、夏樹をこの世から消し去りたい衝動を抑えられそうにない。)
「俺たちだけじゃない、俺たちの家族や。」
「この街の奴ら。 みんなの、未来を変えた。」
「嘘みたいな悪夢を、現実にしたのは、お前だろ。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』