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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-149


(夏樹は、自分の過ちに、潰れそうだった。)

(話をして、簡単に、受け止めたり。 理解してもらえると、
思ったわけではない。)

(だが、自分が人々に近づき。 存在して居るというだけで、
目の前に居る人々を苦しめる。)

(能力を使えない、ただの自分になった時。)

(Fragment of Timeの役目から離れた時。)

(根底にある、夏樹の思いは。 人々のためではない、
自分自身の願いのために思えた。)

『皆とここに居たかった。』

(それだけのために、世界を壊そうとしている。)

「うっ・・。」

(それは、聖が。 粒樹を得るために。
FOTや夏樹を捨てたことと。)

(フェルゼンが、リザを蘇らせるために。
“闇”を起こそうとすることと、何ら変わらない。)

(自分勝手な感情に思えた。)

「本当に、ごめん。」

(夏樹は、心から悔いていた。)

(涼は、夏樹が、深く後悔していることを感じた。)

(深い紺色の瞳は、滲み。 蒼白な肌に、深い紺色のくせづいた髪に。)



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