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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-151


「それでも、ここしかないと、思ったんだ。」

「この街しかないと。」

「この街と、この街の人々を、

守りここで、生きたかった。」

「ここしかないんだ。」

(夏樹は、顔を上げず、涼に、人々に頭を下げ続けた。)

(叫び声と混乱、恐怖が伝播し、クラスメイトの多くは、
教室を飛び出し、逃げた。)

(散乱する、机と椅子。 廊下には、叫び声が響き。
全ての教室から、生徒たちも先生も避難していた。)

(まるで、未曽有の災害が起こったようだ。)

(校内放送は、落ち着いて、避難することを告げ。)

(各先生は、生徒たちを誘導した。)

(駆け付けた生徒会長の春人が、教室前方のドアから、
勢いよく駆け込み、肩で息をし。 夏樹と、クラスの様子を心配した。)

「夏樹・・っ。 涼も、外へ出るんだ。」

「静乃先生・・!」

(春人は、促したが。 静乃や、駆。 ソラやミイ、紫苑、佐織、
そして、涼は、その場から動こうとしなかった。)

「どこへ逃げるっていうんだよ。」



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