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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-157


「涼・・。」

(ソラも、やるせない気持ちで、
走り去る、涼の後姿を見送った。)

ガタタッ バタタッ・・

(混乱の音が次第に遠ざかり。
荒れた教室に、夏樹たちは、取り残された。)

「・・・っ。」

(遠くなる喧噪と、同時に押し寄せる無力感と後悔。)

(道を開くことが出来なったことを、夏樹は実感した。)

「・・・はぁ・・っ。」

(次第に静まる教室の、教壇から。
夏樹は、FOTを知る皆の他、誰も居なくなった教室を。
まだ見つめて立っていた。)

「・・っ・・。」

(目の前には、クラスメイトはおらず、
夏樹の話を、聞く者は、居ない。)

「・・夏樹。」

(ソラは、そんな夏樹の後ろから、
濡れたままの背中を、見つめた。)

「・・。」

(夏樹は、息を飲み。 一呼吸置くと、話し続けた。)



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