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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-159


「先生、皆を連れて、外へ。」

「マスコミが来る。 理事長は、学校の閉鎖を決めました。」

「安全が保てるまで、家に居るようにと。」

(春人は、静乃に話しかけ。 皆をうながし、うつむく夏樹の両肩に、
手を添え、声をかけた。)

「夏樹、心配するな。」

「また、元に戻る。 必ず。」

(春人は、夏樹を勇気付けようと、握った両手に、力を込めた。)

「・・ふっ。」

(夏樹は、春人の言葉に、手の甲で、流れる涙を拭い。)

(春人の言葉に、応えようと目を閉じたまま、幾度か頷いた。)

(零れ落ちる涙は、止まらず。)

(春人の言葉に、頷いても、夏樹にはとても、その未来を
信じることが出来なかった。)

『守るべき人が、居るのに。』

『僕は、何も出来ないのか。』

(夏樹の傍には、紫苑、ソラ、ミイ、佐織、駆、静乃が居た。)

(夏樹は、うつむくことしか出来なかった。)

「夏樹、裏から戻れ。 迎えが来ている。」



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