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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-164
《詳細は分かっていません。》
(ニュースキャスターは、悲痛な面持ちで、原稿をめくった。)
《“闇化”を巡る、能力者の暴走により、》
《十代の少女が死亡したと発表しました。》
***
(夏樹は、浅い、自分の呼吸と。 黒い腕時計から流れる、
ニュースに、遠くなる意識の中。
耳を傾けた。)
「はぁ・・。」
「はぁ・・。」
(廊下から、校舎の裏手はすぐだった。
それなのに、夏樹の身体は、言うことを聞かない。)
(景色が歪み、全てが、スローモーションに映る。)
「みんな・・。」
「FOTのみんな。」
(ニュースの画面には、指名手配された、FOTメンバーが映し出されていた。)
「・・ごめん。」
(現実とは思えない、事実が。 夏樹に重く、圧し掛かった。)
「・・っ。」
(夏樹は、遠のく意識の中で。 FOTの無事を願い。)
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