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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-169
「菖蒲。」
「僕が、壊してしまった。」
「現実の世界だ。」
(夏樹は、自分自身に言い聞かせ。
現実を、受け止めようとしていた。)
「とても、痛いな。」
「とても。」
(校舎から開かれた、扉の向こうは、
非常事態に見舞われ、
街と、人々の叫びが、騒音となり、辺りを包んだ。)
(風は吹き荒れ、その場を包んでいたが。
夏樹には、どうすることも出来なかった。)
(夏樹が残した風は、善の魔力と、人々の心から湧き出る不安と恐怖に、
翻弄され、街を、人々を守ることは出来なかった。)
『閉ざされた世界から、外に目を向ければ。』
『平和が、日常が失われ。』
『壊れてしまった、現実の世界が、目の前に広がっていた。』
(夏樹は、菖蒲の腕の中で、目を閉じ。)
(その痛みを噛みしめた。)
『目を、逸らすことは出来ない。』
『僕が、壊したんだ。』
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