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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-177


「決して、怖いものではありません。」

「作り上げられた、恐怖に、惑わされないように。」

(誠司は、語り続けた。)

「一部の見解には、誤りがあります。」

「“闇”は、能力者がもたらすものでも、

能力者が与えるものでもありません。」

「“闇”は、異世界、エアリエル国より。」

「この地上、第二国に注がれた。」

「“時の欠片”に宿る呪いです。」

(誠司は、微かに穏やかに表情を変え、
画面を見つめた。)

「私たち人間に宿る“時の欠片”は、

人間の時を伸ばす。 力がある。」

(誠司は、瞳に力を込めた。)

「私たちに、“時”をもたらしてくれるものです。」

「それが、私たちの胸に眠っている。」

(誠司は、自身の胸に手を当てた。)

「“呪い”から、解放することが出来れば、

恐れることはありません。」



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