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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-19


「大切な人を傷つけるかもしれない。」

(夏樹は、言葉を絞り出した。)

「それでも、ここに居たかったんだ。」

(紫苑は頷き。 夏樹は、帰りを待っていてくれた、春日家の人々を
愛し気に見つめた。)

「僕の家だから。」

(夏樹を、ソラとミイ、ピュア、菖蒲が見守った。)

『ここで、時を過ごしたいから。』

(夏樹は、一人ではなかった。 家族と友人。 そして、FOTメンバーが、傍にいた。)

『きっと、守って行く。』

(秋の始まりを感じる、涼しい風が、
見上げた青空を横切った。)

(風は、夏樹に応えず。 ただそこにあった。)

(かつて聖の生み出した、FOTの結界は、消え去り。)

(ただ、頭上には、空が広がっている。)

(遠く海上には、フェルゼンの力で開いた。 異世界エアリエル国の扉がある。)

(今は、何かを待つように。 張り詰めた静けさが広がっていた。)

「ソラ。」

「エアリエル国と。 地上を守ろう。」



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