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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-196


「そう。 わたしたちにも、出来ることがあるから。」

(千波は、心を奮い立たせ、笑顔を向けた。)

「桜さん、日持ちするものも。」

「作っておきましょうか?」

「戦いは、長くなりそうだから。」

(千波の強い瞳に、桜も強く頷いた。)

「そうね。」

「それから、何か元気が出るものも。」

(千波は微笑み、こちらを見上げる蒲公英に、声をかけた。)

「デザートも作ろうか。」

「甘くて、美味しいもの♪」

(蒲公英は、両手を上げて喜んだ。)

「わ〜い!」

***

『不安が、無いと言ったら嘘だった。』

(紫苑は、零れそうな涙を飲み込んだ。)

『でも、心配で。 不安で、ただ待っているだけでは、

何も、始まらないから。』



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