HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-198


(泡立つ不安と、恐怖が残った。)

「ケーキ、作ろう。」

「菖蒲くんが、喜ぶから。」

(千波は、紫苑を励まそうと、おどけて見せた。)

「ふふっ。 うん・・。」

(紫苑は、涙を拭った。)

***

「世界が変わっても。」

「私たちは、変わりません。」

「乗り越えられます。」

(菖蒲は、そう言うと、佐織に微笑んだ。)

「菖蒲さん。 うん、そうだね。」

(菖蒲は、夏樹をsnow dropに送り届けると、
駆と、佐織を、それぞれの家に送り届けた。)

(駆も、佐織も、家族と手分けし。 万が一のために、
必要なものをそろえ、荷造りし。)

(菖蒲は、手伝いながら、それぞれの家族を案じ、
FOTの存在と本当の事情を説明した。)

「わたしと、駆の家族は、分かってくれて良かった。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ