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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-200


「今は、市の境界に。 閉鎖されている、場所に居る。」

「春人先輩と、連絡し合っているけど。 とても。」

「風見市には入って来られないって。」

(佐織は、心配そうな顔をした。)

「国の、特殊部隊が来て。 風見市の周りを包囲して。」

「高い、防壁を張り巡らせているんですって。」

(佐織は、表情を曇らせた。)

「・・まるで、戦争みたいね・・。」

(駆は、荷造りをしていた、佐織の手を握り。
笑顔を見せた。)

「夏樹と、ソラが居る。」

「俺たちもな。」

(佐織は、勇気を奮い立たせ、頷いた。)

「うん。」

***

(街は、混乱に満ちていた。)

(叫び声と、逃げ惑う人々。 市外へ出ようと試みる人々で、
道路は渋滞していた。)

(商店には、人が押し入り、生活必需品を買い求める人々で
あふれた。)



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