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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-203


「必ず迎えに行く。」

(ミイは、頷いた。)

「うん。 分かった。」

「ソラ、夏樹さんをお願い。」

(ソラは、水色の瞳で頷いた。)

「ああ・・。」

(街に吹く風は、冷たく、凍える様だった。)

(風も、夏樹を探している。 ソラには、不思議とそう感じられた。)

***

(チイは、風見市の外から、春人に連絡した。)

(風見市の境界には、警官とマスコミがひしめいている。)

「春人さん・・!」

(チイは、防壁に触れたが、すぐに警官に引き戻された。)

(天高くそびえる防壁は、民間人に超えられるものではない。)

(チイは、人混みに押され、土煙に塗れながら。 頭上を見上げた。)

「とても駄目、越えられないわ。」

「風見市の住人だと言っても、通してもらえない。」

「外に居られて、運が良かったって・・、言われたわ。」



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