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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-205
「FOTや、国や警察にも。」
「味方が居る。」
(春人は、画面の向こうの、泣き出しそうなチイを
懸命に励ました。)
「以前とは違う。」
「俺達に、出来ることがある。」
(春人の、土埃で汚れた手に、握られた携帯の画面の中で。)
(小柄なチイは、いつもより小さく見えた。)
(丸い小さな頬に、穏やかで優し気な瞳のチイは、
今は、その瞳に、涙を浮かべている。)
(リボンで留められた、焦げ茶色の丸くカールした短い髪が。
うつむき、零れ落ちる涙の頬に、掛かる。)
「チイ・・。」
[「春人さ・・。」]
[「きゃっ。」]
ガチャンッ
「チイ!」
(春人は、汚れた手で、画面に映るチイの頬をなぞっていた。
画面の向こうで、チイは、警官に呼び止められ。)
(風見市内と通話していたことをとがめられた。)
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