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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-207
ダッ・・!
(同じころ、夏樹も、走り出していた。)
***
ゴォッ・・!
(黒い腕時計が、夏樹の白い腕に、掛けられている。)
(夏樹は、左腕の黒い腕時計に、白い指先で素早く触れ。
自動空間結合を作動させた。)
ゴウンッ・・!
《自動空間結合、完了。》
(腕時計から、自動音声の静乃の声が聞こえた。)
「はぁ・・、はぁ・・。」
(夏樹は、聖が残した、風見市内のFOTの空間通路をいくつも移動し、
目的地である、美菜の家の前に。
走り出た。)
(到着するまでは、わずかな時間で。 夏樹に迷いはなかった。)
(懐かしい、身を引き締めるような、異空間が引き寄せられる重さ。)
(息が止まるような瞬間に、空間と、圧し掛かる重い“闇”の圧力を。
身体に思い出した。)
ゴシュッ・・
(黒と紫が入り混じる、マーブル模様の気流の中。 聖の残り香が、バラの香りが。)
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