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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-216


「須藤。」

(加賀は、背後から追い付いて来た、幾人かの部下の中に、
声を掛けた。)

「はい!」

(若い警察官が、前に進み出た。
聡明で、正義感にあふれる、須藤が、勢い良く加賀の元に来た。)

(玄関への階段を数段上りながら、振り向き、
去っていく特殊部隊を見つめる。)

「連中は、もう退散ですか?」

「どうも・・、本気で事に向かっているように、見えませんが。」

(加賀は、そんな須藤を見て、氷置に、目くばせした。)

「氷置、須藤に事情を説明して、

二人でここの警護に当たれ。」

(氷置は、眼鏡の奥で、怪訝そうな顔をした。)

「良いんですか?」

「こいつも、“悪”の道に染めて。」

(氷置は、じろりと須藤を見た。)

「(ヒッ)、何すか?」

「“悪”の道って、何すか・・!?」



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