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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-231


(輝く金色の髪が、星屑が描かれた、うつむくトワの頬を覆う。)

(透き通る瞳は、壊れたひよこを見つめ続けた。)

(励ます様に、向けた視線は。 壊れた機械の歯車に、落ちた青い羽根。)

(その姿を、自身と重ね合わせた。)

(戻ることなく、変わってしまった身体。)

(時間と、強い魔法と、科学。 ひよこを抱くトワの手は、いつの間にか、
皺に覆われ、美しいマントを纏うその身体は、老人の姿に変わっていた。)

コォォォーッ

(金色の髪は、白髪に変わる。 けれど、透き通る瞳の輝きは、衰えず。
力を増す様だった。)

【それまで、頑張れ。】

【君はもう、一人ではないのだから。】

***

コォォォーッ

(ソラは、降りしきる雨の中、走り抜けた。)

(街の人々を避難させた後、夏樹の痕跡を追いかけ。)

(遠く、厚く続く、雨雲を見上げた。)

「はぁっ・・、はぁっ。」

「夏樹・・!」



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