HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-247
『それとも、ただの。』
『僕の願いかもしれなかった。』
(深い紺色の瞳は、雨の中。 微かに柔らかく、輝いた。)
『今、こんなにも、風を求めるなんて。』
「僕は、僕が憎い。
こんな僕が。」
(それでも、夏樹の答えは、決まった。)
(夏樹は、話し続けた。)
「僕は、迷っていた。
菖蒲・・。
僕の命を、終わらせるべきかどうか。」
「答えを、迷っていた。」
(夏樹は、唾を飲み込んだ。)
「まだ、出来るかは分からない。」
(解決するためには、どちらかしか方法が無い。)
『“鍵”を壊すか。
“闇化”を望むか。』
(後者を選び、風を得ることは、とても難しい選択だ。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』