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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-25


「明日は、早いのですから。」

(菖蒲は、千波から預かった、風見ヶ丘高校の、夏樹の制服を。
傍に整えた。)

「ありがとう。」

「もう少しだけ。」

「ソラに、これを、届けてから。」

(夏樹は、机に積まれた、いくつかの資料を束ね。)

(腕に抱えた。)

「それは?」

(四角い黒縁眼鏡の奥で、瞬いた。)

「僕なりにまとめた、“闇”のデータだよ。」

「静乃さんからの情報もある。」

「あとは、僕が戦闘の時に、集めたデータだ。」

「何か、役に立つはずだ。」

(夏樹は、無造作に散らかって見える、机の上や、
棚から。 必要だと判断した資料を、片手で拾い集め。)

(小脇に抱えた。)

「くすっ。 くすっ。」

「夏樹様らしい。」



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