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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-251


「どこを見てる。」

「俺を見ろ。

今を・・、見ろ。」

(深い紺色の瞳は、揺れ。 夏樹の心は、感謝に震えた。)

「ソラ・・、」

『こんな自分を、追い掛けて来てくれる人が居る。』

『菖蒲も、ソラも。』

「それなのに、僕は・・、」

『何も出来ずに。』

『自分を終わりにする、決断さえも出来なかった。』

「はぁっ・・。

ごめん、ソラ。」

『希望を、風を・・。』

『捨てられなかった。』

(ソラは、いつもの明るい水色の瞳で微笑み。)

(深い紺色の瞳を、見つめ続けた。)

「それで、良い。」

「夏樹。」



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