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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-253


「・・晃さん・・!」

(街の混乱を収める為に、人々を守る為に、
奮闘していた晃は、息を荒げ。 夏樹のもとへ、いち早く駆け付けた。)

「・・晃さん・・。」

「すみませんでした。」

(夏樹は、再び、肩を震わせた。)

「・・すみません。」

(晃は、日頃。 FOTメンバーと居る時、見せない動作で。)

(即座に夏樹に近づくと、大きな両腕で。)

(夏樹を抱き締めた。)

ダッ バザッ・・

(夏樹は、驚き。 晃の大きな両腕に抱かれ、
戦闘の香りを纏う、雨と、汗にまみれた、短い黒髪の。
晃の横顔を、見た。)

「・・晃さん・・。」

(晃に、抱き留められたのは、初めてだった。)

(いつも、冷静な晃が、息を上げ。
走り寄り、即座に夏樹を包み込んだ。)

「う・・っ。」

(晃の思いに触れ、込み上げる思いを、夏樹は堪えられなかった。)



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