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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-254


「・・うっ・・。」

「すみません。 晃さん。」

「何も、出来なくて。」

(晃は、こんなにも街を守る為に、今も戦っていた。)

(その波動が、熱が。 肌に触れる、晃の体温から、夏樹に伝わった。)

『共に戦おう。』

(晃の、メッセージに思えた。)

「良く、頑張った。」

「夏樹。」

(晃の言葉に、夏樹の胸は震えた。)

『良くやった。』

(風を使った夏樹を。 そう褒めてくれた人は、
今は居ない。)

(これまで自分を支え、夏樹をFOTに向かわせてくれた。)

(一番、傍に居てほしい人は。)

『・・聖は、ここには居ない。』

(晃の、大きな腕の中から離れ。 夏樹は、改めて、
自身の問題と向き合った。)

「僕が、壊してしまったんだ。」



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