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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-258


(夏樹は、失ったものと。
変化し、これから、得るべきものを。)

(心の中で、見定めた。)

(そんな夏樹の思いに。 晃は、寄り添った。)

「人生には、必ず。

苦しい出来事がある。」

「目を背けたくなる出来事が。」

「そういう時、一人になるな。

目を開けて、周りを見ろ。」

「夜になれば、“闇”に飲み込まれる。」

(それは、晃自身へ、向けた想いでもあった。)

「はい。」

(夏樹は、雨の中、隣に立つ。 背の高い晃を見上げた。)

(晃の言葉に。 夏樹は、何も見えなくなりそうになっていた、
自分を振り返った。)

「人々に、今必要な力がある。」

(晃は、夏樹に微笑み。)

(能力者の存在を。 夏樹の風を。 肯定するように、頷いた。)

「はい。」



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