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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-261


「ああ。」

(晃も、大きく頷いた。)

「私もだ。」

***

ザーッ・・

ザワザワザワッ・・

(家路に向かう、夏樹は、雨の中。
夜空に浮かぶ、ライトアップされた、風車が、遠くなるのを見送り。)

(決意を新たに。)

(風の丘を背に、遠く向こうに広がる。 風見市の夜景を見下ろした。)

『鍵を壊すか。

闇化を望むしか無い。』

(夏樹は、強い思いを込めて。 遠く、続く街の明かりと。)

(その、明かりの中に生きる。 不安と混乱の中で、
新しい時代の変革に、翻弄されている人々を思った。)

『まだ、僕の胸の中で、“鍵”は鼓動していた。』

『簡単に、僕の罪は、許されるものではない。』

『簡単に、父と母の元へは。

行けない。』



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