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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-264


「その前に、ご飯を食べて、力をつけて。」

「しっかり休まないとね。」

(千波はテーブルと、ダイニングの奥で、心配そうにテレビを見る皆と。
夕飯の準備に励む桜を見た。)

「ここに、帰って来ようって、決めたみたい。」

(千波の言葉に、紫苑ははっと、顔を上げた。)

「わたし、迎えに行ってくる。」

(紫苑はそう言うと、ぱっと玄関に走り出した。)

ダッ ガチャッ

「ママ。 わたし、少し、snow dropの前まで、

迎えに行って来るね。」

(走り出す紫苑を、桜は慌てて見送った。)

「紫苑!」

(紫苑は、桜模様の、雨傘を手に。 笑顔で玄関から振り返った。)

「大丈夫。 行ってきます。」

(心配そうな桜に、千波は微笑んだ。)

「大丈夫。 もう、すぐそこまで来ているから。」

(桜は、ほっと息をつき。 微笑んだ。)

「・・ええ。」



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