HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-265
***
ザー・・
(夜の雨は、まだ、降り続いている。)
キイッ カチャンッ・・
(紫苑は、玄関を開け。 snow dropの白いアーチを潜った。)
サーッ ピチャンッ
(桜模様の雨傘に、雨が零れ落ちる。)
「・・?」
(紫苑は門の先、snow dropの周辺を守ってくれている、氷置や、須藤たち警官の他に、
誰かが、雨の中、立っているのを見つけた。)
***
「氷置さん、良いんですか?」
(須藤は、snow dropの周囲を警護しながら。 隣に立つ、眼鏡をかけた
もう一人の先輩警察官、氷置に告げた。)
「ああ。」
(氷置は、白手袋の手で、眼鏡を押さえ。 鋭い視線で、須藤に頷いた。)
「あの男は、夏樹と紫苑の、クラスメイトだ。」
「ふっ、ついでに。 後から追いかけてくる、佐織も、駆も、
警戒しないで良い。」
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