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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-266


(須藤は、頷いた。)

「はぁ。 了解しました。」

(雨が降りしきる中、桜ヶ丘を駆け抜け。 紫苑を心配し、
白い二階建てアパート、snow dropまで。 FOTの結界を抜け。
警察官の間を縫って、危険を顧みず、やって来たのは、涼だった。)

ダッ・・

「・・紫苑・・!」

(涼は、青い傘を差し、紫苑の前に走り込んだ。)

「!」

「涼くん・・。」

(涼は、紫苑の前で、息を切らして立ち止まった。)

「はぁ・・、紫苑。」

「今なら、まだ間に合う。」

(涼は、真剣な、鋭い瞳で、紫苑を見た。)

「今なら。」

(紫苑は、涼が何を言おうとしているか、分かった。)

(クラスメイトで、幼馴染の涼は、この街で、
紫苑を案じてくれている人の、一人だった。)

「あいつから、離れられる。」

(涼は、真剣だった。)



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