HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-267
(しかし、紫苑は、首を振った。)
「・・紫苑・・!」
(涼は、雨の中、絶望的に俯いた。)
「お前のことが、心配なんだ。」
「今なら、お前やお前の家族が、あいつに騙されただけなんだって。」
「あいつのせいだったんだって。」
「皆に分かってもらえる。」
(涼は、唇を噛み締めた。)
「街の奴らが、何て言ってるか、知ってるか・・?」
「お前やお前の家族も。 異常だって。」
「そう言ってる。」
「街がこうなったことを。」
「お前たちのせいに、されちまうぞ。」
(涼は、再び、鋭く、紫苑を見た。)
「それでも、良いのか?」
(涼は、雨水を蹴り、紫苑を睨んだ。)
「こんなの普通じゃない。」
(涼は、必死だった。 紫苑を取り戻せるのは、今しかない。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』