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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-268


(涼は雨の中、鋭い視線で、紫苑を見つめ。
雨に濡れた手で、肩を掴んだ。)

「紫苑・・、分かってくれよ。」

「桜ヶ丘も、警察が包囲してる。」

(紫苑は、顔を上げ、小さく首を振った。)

「・・違うの、涼くん。 あの警察の人たちは、

FOTの味方で・・。」

(涼は、地団太を踏んだ。)

「どうして、あいつを信じられるんだよ。」

「・・あいつを・・!」

(涼は、悔しさに顔を歪めた。 紫苑は変わってしまった。)

(どうしても、自分の方を見てはくれなかった。)

「紫苑、何か知っているんだろう?」

「俺は、あいつに嫉妬して、言ってるんじゃない!」

「お前が心配なんだっ。」

(涼は、俯く紫苑の、肩を離さなかった。)

「お前はあいつが来てから、変わった。」

昔より、幸せそうにしてる。」



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