HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-275


***

ザーッ・・

(雨は、強く。 降り続く。)

(紫苑は、きゅっと。 傘の柄を強く握り締めた。)

「静かね・・。」

(雨が、張り詰めた戦いの世界を。 覆い隠している様だ。)

(晴れればまた、新しい戦いが始まる。
そんな予感がしていた。)

「わたしもここに居る。」

「ずっと、居るから。」

(紫苑も、FOTと共に。 この街を守る為に、
戦おうと決めていた。)

(そのために、美味しい料理を作ったり、温かな家を用意したかった。)

(紫苑の心は、愛に満ちていた。)

***

(紫苑の心に、遠く、リザの本当の心が響いた。)

【わたしが愛することと、あなたに愛されることは、】

【別のこと。】

【たとえ、愛されなくとも。】



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