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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-278


「俺たちが、戦っているのは、

自分の中に居る、闇でもある。」

(晃の切れ長の瞳は。 優しく、力強く微笑んだ。)

「それは、誰でもそうだ。

特に、能力者である俺たちは、

戦いに身を置いた者たちは、

闇と向き合い、闇を背負う。」

(晃の言葉に、夏樹は肩を震わせた。)

「・・はい。」

(晃は、夏樹の返事に頷き。 微笑んだ。)

「少しずつで良い。

闇を超えて行くんだ。」

(晃の励ましに、夏樹の中に、ある人の声が響いた。)

『夏っちゃん。』

『良くやった。』

(正しいことに、風を使った。 夏樹を褒めてくれた。)

(夏樹は、どんなに遠く離れても。 その人のことを、忘れることはなかった。)

「・・聖・・。」



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