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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-284
(夏樹は、いつものやり取りに、心が解れるのを感じた。)
「お帰りなさい。」
(snow dropの温かな玄関で。 オレンジ色の明かりに包まれ。
出迎えたのは、桜と、誠司だった。)
「ただいま。」
(夏樹は、父と母に。 出迎えられる気持ちがした。)
「お帰りなさいです〜っ!」
(その後ろから、ピュアが元気に飛び出した。)
(夏樹の胸に込み上げた、熱い想い。 現実の家に帰って来たような、
感動と共に。 明るいピュアの姿。 可愛らしい、魔法少女のフリルの服が、
眩しく見え。)
(現実の世界と、異世界。 夏樹の戦うべき、二つの場所。
守るべき人々がそこに居た。)
***
「きゅんっ」
(夏樹と、ソラの後ろから、聞こえて来た小さな鳴き声に。 snow dropの中の人々は
夜の闇に振り返った。)
(夜の暗がりに立つ、晃と菖蒲の間から。 小さな柴犬が顔を出した。)
「可愛い・・!」
「一緒に付いて来たの?」
(紫苑は、微笑み、膝を着き。 子犬に手を伸ばした。)
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