HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-285


「わんちゃん・・!」

(紫苑が触れるより先に、紫苑の後ろから、蒲公英が走り出して来た。)

「かわいいねぇっ///」

(蒲公英は、子犬の目線でしゃがむと。 ぽんぽんと、
小さな手で、雨に濡れた子犬の頭を撫でた。)

「ママ・・、飼っても良い?」

(蒲公英のすがるような目に、桜と誠司は顔を見合わせて微笑んだ。)

「いいわよ。」

「ちゃんと可愛がってお世話するのよ。」

(蒲公英の嬉しそうな様子に、誠司は、瞬き。 目の前に立つ夏樹に、微笑んだ。)

「夏樹くん。 ぽんたくんじゃないかな?」

(誠司は、驚きと共に、嬉しさで顔を輝かせた。)

「そうだと思います。 不思議なのですが。」

(夏樹も、驚きを持ちながら、誠司もそうだと感じたことで。 確信した。)

「不思議なこともあるものだね。」

(ずっと昔、夏樹が子供の頃。 居たはずの子犬が。 目の前に現れていた。)

(誠司は、興味深げに、瞬いた。)

「時空を超えたのかな?」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ