HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-288


パシャンッ・・

『僕は、どうだろう。』

(風を失った今、尚更、確信を持てなかった。)

(白い肌に、流れる血は冷たく。 温かなお湯でも、変わらない。)

(冷たい肌に、細い鎖に掛かる、銀の指輪が、湯船に揺れた。)

「僕は、生きているか?」

ピチャンッ

「きゅん」

(ぽんたは、嬉しそうに、返事をしたように見えた。)

『!』

ガチャッ・・!

「あ・・っ。」

(夏樹の中に、思いが込み上げた時、ふいに、浴室のドアが開いた。)

「! 千波ちゃ・・。」

(夏樹は、驚き、思わずぽんたを手に、身構えた。)

「夏樹! 大丈夫♪」

(ドアの向こうから千波が覗き込み。 その奥から、紫苑が心配そうに覗いた。)

「タオル、ここに置いておくね。」



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