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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-289


「うわぁっ! ありがとう、大丈夫だから・・!」

(夏樹は、複雑な気持ちで、ぽんたをますます強く、抱き締めた。)

「ふふっ。」

(紫苑は、夏樹とぽんたがちゃんと湯船に浸かっていることを確認し、満足したように
頷き。 千波とドアを閉めた。)

カチャンッ

「・・どうやら、僕たちは。 生きているようだね。」

(夏樹は、ぽんたと、湯船の中で、顔を見合わせた。)

パシャン・・

「ここに居るだけで。 実感する。」

「ここに居るだけで。 僕たちは、生きている。」

「幻じゃ、ないんだ。」

(浴室を後にした、紫苑と、千波も、実感していた。)

「帰って来たね。」

(千波の言葉に、紫苑は、嬉しそうに。 涙ぐみ頷いた。)

「うん。」

(千波と紫苑は、深い想いに、頷き合った。)

「ここが、家になったんだね。」

(千波の言葉に、紫苑は言葉に出来ない想いで、頷いた。)



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